退職していないのに退職金5300万円…漢検協・前理事長

財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市下京区)の大久保昇・前理事長(73)が1年半前、実際には退職していないのに、逆援として協会から5300万円を受け取っていたことが、協会関係者の証言でわかった。
理事会などの承認を得ておらず、前理事長はその後、今年1月までに全額を分割で返済した。前理事長が協会名義のクレジットカードを私的に使用していたことが判明しており、協会本体からの不透明な金の流れが、また明らかになった。
この問題について協会は、読売新聞社の取材に対し、「過去に大久保前理事長に在宅お小遣いとして支出いたしましたが、後日、全額返金された事は事実」と文書で回答した。しかし、退職金名目とした理由や、返済の詳しい経緯については明らかにしていない。協会の定款には退職金の規定はないが、報酬と同様に扱われるため、支払いには理事会の承認が必要という。